1.ゾラの生涯と第二帝政期

エミール・ゾラ著『ルーゴン・マッカール叢書』を読む
 フランス第二帝政期の欲望装置と近代の成立(映画を材料にしながら)

エミール・ゾラ(1840-1902)
フランスの小説家。今でもベストセラー作家。『ジェルミナール』(ポケット版1956-93年で320万部。『居酒屋』(同55-93年)228万部。『ボヌール・デ・ダム百貨店』(同1957-93年)127,4万冊。『ナナ』(同1957-93年)114,5万冊。『ムール神父のあやまち』(同1954-93年)115万冊。
 
年譜
1840 イタリア人技師フランソワ・ゾラの息子としてパリに生まれる。
47 父死す。
 52 エクサン・プロバンスのブルボン中学入学。
親友にポール・セザンヌ(現代絵画の元祖)とジャン・バイユ(のちに理工科大学数学教授)
54ゾラ運河開通。
58パリ移住 サン-ルイ中学入学 給費生となる。
59大学入学資格試験失敗。
60娼婦ベルトと知り合う。
61アシェット書店(現在は世界最大の雑誌出版社。ELLEなどを出版)に就職。(66年退社)。
62『クロードの告白』
66美術評論でマネらを擁護
67『エドゥアール・マネ』、『テレーズ・ラカン』(自然主義文学の宣言)

自然主義:人間という内的自然が、その環境であるもう一つの自然たる社会的環境の中でいかに生きていくかを現実に根ざして描写していこうとする文学。社会的環境の中で生きていく人間を描いたもの。近代になって変動・変容した社会環境と人間の関係を、新たな現実主義的な視点からとらえようとする。(→社会学:社会と人間の関係の把握)

マネ《エミール・ゾラの肖像》 1866年
71 『ルーゴン・マッカール叢書』(副題:第二帝政下の一家族の自然的社会的歴史)
『ルーゴン・マッカール叢書』第1巻『ルーゴン家の運命』
72 『ルーゴン・マッカール叢書』第2巻『獲物の分け前』
73 『ルーゴン・マッカール叢書』第3巻『パリの胃袋』
74 『ルーゴン・マッカール叢書』第4巻『プッサンの征服』
75 『ルーゴン・マッカール叢書』第5巻『ムーレ神父のあやまち』
76『ルーゴン・マッカール叢書』第6巻『ウジェーヌ=ルーゴン閣下』
77『ルーゴン・マッカール叢書』第7巻『居酒屋』
78『ルーゴン・マッカール叢書』第8巻『愛の1ページ』
80『ルーゴン・マッカール叢書』第9巻『ナナ』
82『ルーゴン・マッカール叢書』第10巻『ごった煮』
83『ルーゴン・マッカール叢書』第11巻『ボヌール・デ・ダム百貨店』
84『ルーゴン・マッカール叢書』第12巻『生きる喜び』
85『ルーゴン・マッカール叢書』第13巻『ジャルミナール』
86『ルーゴン・マッカール叢書』第14巻『制作』
87『ルーゴン・マッカール叢書』第15巻『大地』
88『ルーゴン・マッカール叢書』第16巻『夢』
90『ルーゴン・マッカール叢書』第17巻『獣人』
91『ルーゴン・マッカール叢書』第18巻『金銭』
92『ルーゴン・マッカール叢書』第19巻『壊滅』
93『ルーゴン・マッカール叢書』第20巻『パスカル博士』
94『三都市草書』第1巻『ルルド』
  ドレイフュス逮捕さる。
95 ドレイフュス、悪魔島に流刑。
96『三都市草書』第2巻『ローマ』
98「夜明け」紙に『告発(われ弾劾す)』を発表
  告訴、有罪となりイギリスへ亡命。
99ドレイフュス、悪魔島より帰国。
イギリスより帰国。
『四福音書』第1巻『多産』
1900 『四福音書』第2巻『労働』
01 9月29日、一酸化炭素中毒により急死。 
 03 『四福音書』第3巻『真理』

フランス史(革命後)
第一共和政(1789-1804) フランス革命(1789) 
ナポレオン帝政(1804-15)
王政復古(1814-48)
第二共和政(1848-52) ナポレオンの甥ナポレオン3世 大統領となる(1848)
第二帝政 ナポレオン3世 皇帝となる(1852)
パリ万国博覧会(1855,1867)
     オスマン男爵によるパリ大改造(1952-70) 
プロイセン・フランス戦争(1870-71)
70年9月2日ナポレオン3世スダンで捕虜となり帝政崩壊
第三共和政(1870-1940)
パリ・コミューン(1871) フランス政府軍による鎮圧(2万人の市民虐殺)
パリ万国博覧会(1889,1900) エッフェル塔(1889)
パリ万国博覧会(1900)


ヴィシー政権(1940-44) 北西部をドイツ、南部をイタリアに占領される
共和国臨時政府(1944–1946)
第四共和政 (1946–1958) アルジェリア戦争(1953-62)
第五共和政 (1958–)

ゾラは『ルーゴン・マッカール叢書』で近代社会の欲望の(喚起)装置と近代社会の病理を(綿密な現地調査に基づいて)描いた。
第1巻『ルーゴン家の運命』
第2巻『獲物の分け前』:オスマンのパリ大改造での地上げ
第3巻『パリの胃袋』:パリのレ・アールの中央市場
第6巻『ウジェーヌ=ルーゴン閣下』:権力欲うずまく政治
第7巻『居酒屋』:アルコール中毒
第9巻『ナナ』:高級娼婦
第10巻『ごった煮』:ブルジョワのアパートの表と裏。
第11巻『ボヌール・デ・ダム百貨店』:世界最初のデパート「ボン・マルシェ」がモデル。
第13巻『ジャルミナール』:炭鉱労働者のストライキ。
第14巻『制作』:印象派絵画
第15巻『大地』:農民小説
第17巻『獣人』:鉄道。鉄道殺人と鉄道事故。
第18巻『金銭』:株式バブルとその崩壊。
第19巻『壊滅』:戦争小説。

映画『ゾラの生涯』
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by takumi429 | 2010-10-03 11:09 | ゾラ講義 | Comments(0)
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