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講義で紹介した映画 

講義で紹介した映画 (監督名と題名)

1.クリス・マイケル「ラ・ジュテ」
スチール写真の連続という手法を使った映画。映画は写真の連続であり、写真の連続のなかに別の写真を滑り込ませること(モンタージュ)でそのどこにもない、しかしあり得るかもしれない、世界を観客に呈示するのだということを示している。残された手紙、足跡、写真を貼り合わせることで、あり得た世界へと人を誘う、という手法は「アメリ」にも活用されている。

2.リュミエール兄弟「工場の出口」・「赤ん坊の食事」・「ラ・シオタ駅への列車の到着」・「港を出る小舟」
見世物を撮る必要はない、映画自体が見世物となりうる。
  ジョルジュ・メリエス「月世界旅行」マジックとしての映画 
 フェルディナン・ゼッカ「或る犯罪の物語」

3.デビット・W・グリフィス
クローズアップ、クロスカッティング、切り返しなどほとんどの映画の手法を生みだした映画の父
「国民の創生」
「イントレランス」

「東への道」

4.セルゲイ・エイゼンシュタイン「戦艦ポチョムキン」
モンタージュ理論と実践
フセボロド・プドフキン「母」
「東への道」の流れる氷のシーンへの言及が楽しい。象徴的モンタージュと思わせて、そこに登場人物を出現させて、現実のシーンであることを示す、愉快なひねり。
カール・ドライヤー「裁かるるジャンヌ」
クローズアップの極地

5.バスター・キートン「将軍」
行って戻ってくる列車と映画のフィルムによる時間逆行の対応関係
「キートンの探偵学入門(忍術キートン)」 映画のスクリーンから抜け出す人物 
ハロルド・ロイド「要心無用」アメリカ映画のアクションの基本形
チャーリー・チャップリン「黄金狂時代」
            「街の灯」

世界言語としてのサイレント映画 言葉を使わないからこそどの世界にも通用する。

6.フランク・キャプラ「在る夜の出来事」

7.オーソン・ウエルズ「宇宙戦争」(ラジオ劇)
           「市民ケーン」
音は一度流れたら消えてしまう、映像だとつねに同時に表示されている。
これは「お芝居だよ」という声のコメントは消えてしまうが、映画だと俳優の顔によってつねに「これはお芝居だよ」というメッセージを受け取ることができる。ラジオ劇が大パニックをもたらしたが、後者はあくまでも芝居としてみることができた。
「市民ケーン」は映画というおもちゃ箱で天才青年オーソン・ウエルズ徹底的に遊んでみせた作品。

8.フリッツ・ラング「メトロポリス」

  レニ・リーフェンシュタール「民族の祭典」・「美の祭典」
オリンピックを撮った映画というより、映画のためのオリンピックをやったというべきかも。「美が正義だ」という主張さえ感じられるが、それはほんとうにナチズムと無縁なのだろうか。
なおナチズムによってドイツ映画は衰退したというのはウソで、ナチズム映画にはとてもレベルが高く、おもしろいものがある。

9.エリア・カザン「波止場」
  フランシス・コッポラ「ゴッド・ファーザー」
            「ゴッド・ファーザーⅡ」

 マーロン・ブランドは「自然な演技のために」セリフを覚えず、そこらじゅうにセリフを書いてそれを盗み読みして演じていた!映画の裏舞台を書いたハーラン・リーボ/著 河原一久/監修 鈴木勉/監修『ザ・ゴッドファーザー』(ソニーマガジンズ)(品切れ)は、おすすめ。
  ベルナルト・ベルトルッチ「ラスト・タンゴ・イン・パリ」
  マーティン・スコセッシ「タクシー・ドライバー」


10.ジャン・リュック・ゴダール「勝手にしやがれ」
君にも映画は撮れる!
フランソワ・トリフォー「アメリカの夜」
映画の撮り方、教えます!


  
  
by takumi429 | 2007-07-09 15:17 | 映画史講義
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