13 ノンフィクション映画

ドキュメンタリー映画はやらせでない事実の客観的記録とみなされがちである。しかし撮影することはその出来事に影響をもたらさざるを得ない。むしろ制作者がどのような選別を行いながら、映画のなかでの出来事を形作るかを見なくてはいけない。その出来事の形作り方によって5つの種類に分けられる。

(1)解説するドキュメンタリー
身体をともなわないヴォイスオーバーによる注釈、記述的で情報豊かであることを念頭においた映像

(2)観察するドキュメンタリー
「生活の断片」、あるいは出来事のそのままの再現を示そうとする。
映画制作者は、関与しない傍観者であろうとする。

(3)相互作用するドキュメンタリー
撮影される人々や出来事と制作者とが相互作用する。インタビューの形式をとる。
 例:マイケル・ムーア『ロジャー・アンド・ミー』(1989)

(4)反省するドキュメンタリー
撮影される出来事・人々よりも、それが撮影される仕方に焦点を当てる。ドキュメンタリーの再現がしたがっている約束事を観客に明らかにして、その真実を顕わにするという見せかけの能力に異議をとなえる。
ジガ・ヴェルトル『カメラを持った男』(1928) 

(5)演技するドキュメンタリー
世界を撮ることから作品を表現することに重点が移る。
エロール・スミス『シン・ブルー・ライン』(1988)警察官殺人の再演することで事件についての証言の非一貫性を明らかにする。
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by takumi429 | 2008-06-29 13:39 | フィルム・スタディーズ入門 | Comments(0)
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