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健康心理学 6.食事行動

6.食事行動
どのような食事をどのようにするかということはいうまでもなく健康に大きな影響を与えます。心理がこの食事行動に対して大きく影響しているのは言うまでもありません。
 ところでこの食事行動で近年とりわけ問題になってきたのが、神経性食欲不振症(拒食症)と過食症です。
 拒食症の患者はしばしば自分が太りすぎていると考えています。女性の体の絵を使うと、拒食症の患者は、実際の自分よりもずっと太った体のイメージを自分の体として選びます。つまり身体のイメージが実際よりもずっと太い方へとゆがんでいるのです。
 さらにアメリカの大学生に、理想的な体型、魅力的体型、現在の自分の体型の三つを絵で選ばせるたところ、現在の自分の体型よりもずっとやせた体型を理想的かつ魅力的な体型として選びます。これに対して男性の場合、理想的体型、魅力的体型、現在の自分の体型はほとんど差がありません。
 なぜ女性の多くが自分は理想的で魅力的な体型に比べて太っていると考え、ゆがんだ身体イメージを持ってしまうのでしょうか。
 これにはやはりメディアの影響が大きいと考えられます。やせたモデルや女優ばかりが雑誌やテレビ・映画に出てくるために多くの女性は自分が太っていると思いこんでしまうのです(私自身の経験にてらしても、1960年代にツイッギーというやせたモデルが出てくるまで「拒食症」という言葉も事態も聞いたことはありませんでした)。またこうした身体への不満は母から娘へと受け継がれる傾向もあるようです。
 こうしたゆがんだ身体イメージからダイエットにはげむ女性も多くいます。じつはダイエットはその反動とも言うべき過食の原因になりがちであることが明らかになっています。つまり拒食症も過食症も体重を増やしたくないという病的な欲求がもたらすものだといえるのです。
 なにげなく今あなたが読んでいる女性雑誌はあなたたちに間違った身体イメージを植え付けるという意味で、じつはきわめて「有害な」図書なのかもしれないのです。
by takumi429 | 2009-07-22 16:54 | 健康心理学
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