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(12) 描けるんです! マンガの匠たち

高野文子
『絶対安全カミソリ』
作品ごとに絵柄を変えてかき分ける驚異的な画力・構成力・演出力
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「たなべのつる」痴呆老女を少女として描く(痴呆の綿の国星?)
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『お友達』
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『るきさん』
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『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』
マンガの中で主人公の少女の『チボー家の人々』の読書を追体験させる。
文学とマンガというメディアの交差の向こうに見えるのは、亡霊のような、老いることのない小説の登場人物たちと、それを読んでいた華やぎこそないがひたむきで確かに輝いていた一人の少女の時間と時代である。
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高橋留美子 
画面展開のテンポの良さ、巧みなキャラクター形成、少女マンガに学んだコマの巧みさ、卓越したストーリー展開。とにかくうまい。各国に翻訳され今や世界的マンガ作家。
『うる星やつら』
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『めぞん一刻』
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同一の紙面に、向き合った二人の顔を描く、みごとなコマ処理。
『人魚の森』・『人魚の傷』
(人魚の森シリーズ。人魚の肉を食べたことで不老不死となった男女が永遠の時をさまよう。
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これって『ポーの一族』へのオマージュ(敬意を込めたパクリ)?
『犬夜叉』
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半妖(犬夜叉)と巫女の末裔の少女との恋と冒険
「炎トリッパー」(炎に巻き込まれ戦国時代にタイムトリップする女子高生)と『人魚の森』の残酷なラブストーリーとを合体させてできあがった長編妖怪SFゴチックロマン(長い!)・マンガ。










ゴシックロマンとは18世紀末から19世紀初頭にかけて流行した中世趣味による神秘的、幻想的な小説。代表作『オトラント城奇譚』・『フランケンシュタイン』・『ドラキュラ』、エドガーアラン・ポーの「アッシャー家の崩壊」もこの系譜にあたる。
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「アッシャー家の崩壊」さし絵

鳥山アキラ
卓越したデザイン的描写。
『ドクター・スランプ』
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椰子の木が生えるカルフォルニア的な村(知多半島の町?)が舞台。
すでに背景世界(世界観)が完成している。
『ドラゴン・ボール』
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ドクタースランプの背景世界のなかで、宇宙人によるロール・プレイング・ゲーム。
主人公のライフ・レベルがついに加速度的に増大。

谷口ジロー
メビィウスの影響を受けた白い精緻な画面。
『坊ちゃんの時代』関川夏央原作
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明治の文壇を舞台にした『坂の上の雲』。
伊藤整の『日本文壇史』を思わせる文学者たちの交流。
明治がもっていた夢と挫折。
『神々の山嶺』夢枕獏原作
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山岳マンガの極北。2005年アングレーム国際漫画祭 最優秀美術賞

『遙かなる町へ』オリジナル作品
2002年アングレーム国際漫画祭 最優秀脚本賞・優秀書店賞受賞。
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『孤独のグルメ』
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by takumi429 | 2011-08-01 13:56 | マンガ論
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