(15)現代のカリスマ 井上雅彦

15.現代のカリスマ 井上雅彦
圧倒的な画力とストーリーの展開。
回想シーンの凄烈な美しさ。

『スラムダンク』
c0046749_213135.jpg

主人公の成長に合わせたかように絵がうまくなっていった。
バスケットの試合のが競技者にしかわからない展開が緻密かつダイナミックに描かれた。
空前の大ヒット。バスケット・ブームをもたらした。

『バガボンド』
c0046749_2115955.jpg

原作 吉川英治『宮本武蔵』
比較してみよう。
「一乗寺の決闘」の段を
(1)原作の徳川夢声の朗読
c0046749_295174.jpg

(2)内田吐夢の映画『宮本武蔵 一乗寺の決斗』(1964年)
c0046749_2113292.jpg

(3)『バガボンド』の一乗寺の決闘シーン
c0046749_2105842.jpg

(1)言葉の弾む調子、駆け抜けるような軽快さ
(2)カラー映画のなかであえて白黒にし、泥田をはいずり回らせる。
(3)筆による描写が、泥と血糊の描きかたとパラレルになっている。
  黒沢明の『七人の侍』のクライマックスの雨中の決闘シーンにむしろ近い。
c0046749_2153535.jpg

原作との比較
佐々木小次郎が宮本武蔵と同じくらいに人物としてふくらまされている。
聾者として剣豪に拾われそだつ小次郎。
小次郎の人物造形の不十分さは吉川原作の数少ない欠点だったのでは、と思わせるほどの、豊かで鮮烈な人物造形となっている。

『リアル』
c0046749_2134152.jpg

障害者バスケットを描く。
『バガボンド』にもみられる、回想シーン。その凄烈さ、透明さ。
[PR]
by takumi429 | 2011-08-05 01:38 | マンガ論 | Comments(0)
<< マンガ論講義 目次 (14)ストーリーテーラーたち >>