フィルム・スタティーズ入門 7.映画の作家性

演出技法:フィルムに収められる出来事、セットデザイン、照明、登場人物の動きといった、カメラの前に現れるもののこと

撮影技法:フィルムに収められる出来事、つまり演出技法がフィルム上の映像へと変換される方法

物語と語り口

作家主義
芸術家としての映画監督(作家)と技術者(演出家)とを区別する。


作家とは

自分の映画作品を通じてスタイルとテーマの一貫性を示している監督
撮影技法(どうカメラに収めるか)に独自性を持っている監督

アルフレッド・ヒッチコック監督『レベッカ』(1940年公開)

原作ダフネ・デュ・モーリア
制作デヴィッド・セルズニック(『風と共に去りぬ』(1939年)も制作)
ヒッチコックに原作に忠実に映画化することを要求。両者の軋轢。
プロデューサーは映画が製品として上映されるまでのあらゆることを統括する。
セルズニックの映画と言っていい。その支配下で独自のタッチを出す。

キャメラの中で編集すること

冒頭3:30-4:38
断崖から身を投げようとしている男に出会った娘
むだのない最小限の撮影によって編集者(そしてプロデューサー)も彼が望んだままのシークエンスに手を加えられないようにした。



作家主義の始まり

1950年代フランスの『カイエ・デュ・シネマ』
シネマティークで映画を見まくった「シネフィル(映画おたく)」の評論誌
評論家から映画監督へと変身(ヌーベル・バーグ)


フランソワ・トリフォー「フランス映画のある種の傾向」(1954年)
作家主義の批評家による宣言文

ジャン=リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』(1960年)
作家主義の映画制作者による宣言文


「フランス映画のある種の傾向」

フランス映画の良質の伝統とは

高い興行価値
スターとの信頼関係
ジャンルという約束事
脚本の優先

すなわち
良質の伝統が提供しているのは、脚本をフィルムに収めること、脚本を機械的にスクリーンに移し替えること以上の何ものでもない。

映画が映画たるゆえんは、ストリーの中身をうまく伝えることではなく、それを独自のスタイルでもってフィルムに収め、観客を魅了すること。
撮影技法こそ映画作家(監督)の独壇場である。

作家主義の映画作品
すでに存在しているストーリーを再現するのではなく、カメラの前で生じた成り行きの出来事を描き出すもの。
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by takumi429 | 2008-05-23 15:53 | フィルム・スタディーズ入門 | Comments(0)
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