2018年 11月 06日 ( 1 )

レポートの書き方

レポートの書き方 パラグラフからエッセイへ
担当 看護学部 勝又正直(JCMUで研修)

授業にあたってのマインド・マップ(もどき)

(1)レポートとは
 ①定義 問題―解答
 ②領域への入り方
 ③問題の見つけ方
(2)パラグラフ・ライティング
 ①「段落」との違い ひとつの主張を持った結晶体
 ②トピックセンテンスと支持文と主張の繰り返し ハンバーグ構造
 ③パラグラフ・ライティングの練習(高校英語表現の教科書を用いて)
(3)パラグラフからエッセイへ
 ①パラグラフを展開したのがエッセイ
 ②エッセイの骨組み:アウトライン 論文は鉄骨建築物 鉄骨構造にあたるのがアウトライン 
(4)実際の書き方
 ①発想法 ブレインストーミング・マインドマップ 実習
 ②資料などでの補強
 ③執筆 実習

(1)レポートとは
 ①定義 レポート(essay)とは
授業で課される、学習をうながし批判的思考(critical thinking「ちゃんと考えよう」の英訳?)を養わせる、提出を義務づけられた一群の文章。小論文
(滋賀大学経済学部『学習ナビ』「《付録》クリティカル思考のすすめ」のコピー配布)
指示(instruction)に気をつけよう。(教師はどんなレポートを求めているのか)。
論文とは、問題を提示し、それに解答するもの。読者がその答えになっとくできるよう論理や証拠などで支える。
 ②領域への入り方
「ナイチンゲールの○○について論じよ」「遺伝子組み換えの○○の□□についてのべよ」「ル・コルビュジエと日本の団地の関連について論じよ」「同潤会アパートについて論じよ」などなど、知らんことはGoogle(あるいはyahoo)に聞いてみよう。
ちょっと待った。Googleでみつけたネット情報は正しい情報かどうかなんら保証がない。ユーザー(もともとは学者たち)の善意と良識を前提としている(良貨は悪貨を駆逐する、の善意の原則)。Wikipediaも便利だけど、内容が玉石混交でときには間違っている。
ここはおすすめなのは、百科事典 平凡社現代百科事典(学者っぽい)、小学館ジャポニカ(おすすめの1冊が書いてあり涙が出そうにありがたいことがある)、アメリカーナ(中学生以上が使えることを前提にした英語)、ブリタニカ(同じく中学生以上。ネット版があり、ネットの翻訳機能が使えて内容がだいたいつかめる)。
学問的な資料探しはGoogle検索よりも Google scholar 検索で。(“ ”でくくって検索。○○○*で検索 ○○ and □□、○○ or □□、○○ not □□で検索)。
百科事典の後は、新書で。クセジュ新書がおもしろい。新書には参考文献がのっているで「次の一冊」が見つけられる。(「次の一冊」を見つけるがのけっこう大変なのだ)。
文献は基本書・基本論文と二次文献に分けられる。どの本・論文を見ても、引用されているのが基本書・基本論文。それについて論じているのが、二次文献。二次文献は最後に論文の形にするときにアリバイ的に挙げればいいから、まずは基本書・基本論文を読もう。
医療系ならMedlineでキーワードを組み合わせて検索して要約(abstract)だけ読めば方向がみえてくる。Googleでもキーワードを工夫すればおもしろい着眼点を見つけることができる。(たとえば、私はネットで「ラ・ジェッタ」を検索して、映画「ラ・ジェッタ」の年輪のシーンがヒッチコックの「めまい」の年輪のシーンのオマージュであることをネット上の記事から知った)。ネット情報はコピペする際には、引用「」をつけ、出典として、アドレスと読んだ日時を書けばよい。
またアメリカの教科書(とその邦訳)には、すぐれた有用なサイトのアドレスが挙げてあるので、それを使うのもおすすめ。
③問題の見つけ方
基本書・基本論文を読んで、疑問に思ったところ、わからなかったところに印やコメント書き込む。重要だと思ったら、そのページを表紙の裏に鉛筆で書く。
最初につまづいたところが、あんがい問題点だったり、その本・論文の画期的なところだったりする。
(2)パラグラフ・ライティング
①パラグラフとは、「段落」とちがう、ひとつの主張を持った結晶体である。
アメリカではアカデミック・ライティングの授業で、くりかえし、このパラグラフを書くこと(パラグラフ・ライティング)の練習をさせる。
②パラグラフは、トピック・センテンスと支持文と主張の繰り返し、というハンバーグのような構造をしている。
実例:高校英語表現Ⅱ教科書Vision Quest Ⅱp.70 「ロボットの有用性」を読んでみよう。
③練習1 ではあなたもこの「ロボットの有用性」について200字前後でパラグラフを書いてみよう。(Mainstream English Expression Ⅱpp.72-3も参照)。
紙の真ん中に題名「ロボットの有用性」と書き、そこから枝をひろげて思いつくことをかいてみて、それをまとめて書いてみよう。
練習2 支持文の練習p.72「英語を学ぶ意義」を読み、あなたもこの題でパラグラフを200字前後でかいてみよう。
練習3 導入文(論文にしたときに書き出しになる)の練習 p.74「都市と田舎」を読んで、あなたもこの題で250字前後のパラグラフを書いてみよう。
練習4 因果関係 p.76「深刻な黄砂問題」を読もう。

(3)パラグラフからエッセイへ
 ①パラグラフを展開したのがエッセイ
パラグラフの導入文とトピック・センテンスが序論になり、支持 文が本論になり、結びの文が、結論、となる。
例:Vision Quest Ⅱpp.102-3「学校への警察配置」を読んでみよう。
②アウトライン
論文は鉄骨建築物のようなもの。鉄骨構造にあたるのがアウトライン。主題を中心(出発点)として枝状にひろがる樹形(ツリー)構造をしている。箇条書きにしたのがアウト・ライン。上からみたのが、ブレインストーミングによるマインド・マップ。
マインド・マップからどのように論述となるか、具体例でみてみよう。Vision Quest Ⅱpp.82-5 この例はプレゼンテーションだが、出だしを少し変え、最初の呼びかけと最後のあいさつを削れば、論文と変わりはない。
(4)実際に書いてみよう。
①発想法にはブレインストーミング・マインドマップなどがある。紙の真ん中にテーマを書き、それにつらなることを放射線状に書いていく(上からみたツリー構造)。
練習「ロボットの有用性」「英語を学ぶ意義」「都市と田舎」のどれかひとつを取り上げ、マインドマップを書いて、短いエッセイを書いてみよう。
②「少年犯罪」についてマインド・マップを書いてみよう。そのうえで資料をネットでしらべ、あなたの主張が支持できるか調べてみよう。統計などの支持がある主張からマインドマップをかきなおしてみよう。そのうえで、「少年犯罪」についてのエッセイをかいてみよう。

次の一冊:
戸田山和久『新版 論文の教室 レポートから卒論まで』NHKブックス1194 NHK出版2112年


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by takumi429 | 2018-11-06 14:49 | 論文の書き方 | Comments(0)